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Diary 2021

2021/12/05 脱成長にむけ生活インフラを共有財産に

「かつては少しずつ上がる給料で家のローンや子どもの教育費用、医療費、老後の資金を賄っていた。企業からのお金に依存して、人生設計を行ってきたのです。今の問題は、日本型の安定雇用が壊れたのに、教育なり医療なりに多額のお金がかかる制度がそのまま残っていること。当然収支が合わないわけです。」
日本人が知らない「脱成長でも豊かになれる」根拠


2021/11/14 文芸春秋12月号

岸田さんは情けない 『人新世の「資本論」』著者・斎藤幸平 「矢野論文」大論争!③
塩崎恭久70歳、里親になる

立ち読みする。


2021/11/01 「グリーン成長」の次のパラダイムは何か

「グリーン成長」の次のパラダイムは何か メモ。

■経緯:
2015年 パリ協定
2018年 IPCC「1.5度を目指すべき」
    →そのためには2050年ごろに世界全体でCO2排出量をゼロにする必要
2020年 2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略(経産省)
2021年 改正温暖化対策推進法「2050年までに脱炭素社会を」
グリーン成長で、環境保全は「経済成長のブレーキ」から「経済成長のアクセル」へ

■グリーン成長シナリオへの批判:
近年ヨーロッパでデカップリングの効果が確認されている。しかし、2050年の脱炭素化には間に合わない。デカップリング楽観論への主な反駁として、
①機器の効率向上で節約された分の資源・所得を別の消費に使い、効果が一部相殺される(リバウンド)
②国内で経済成長を享受しつつ、環境コストは国外へ(北から南へ)移転している
...等。

■脱成長シナリオ:
成長を止めることで幸福度を改善する。エネルギー・資源の利用拡大が生物多様性に負荷をかけているため、この分野でも注目される可能性あり。
3つの政策パッケージの分析(フランスを例に)
・グリーン成長   格差と失業が悪化
・Green New Deal 政府債務が増加
・脱成長      資金調達に課題

■脱成長への批判と反論:
・脱成長は「不況」を意味するのでは
→ 環境負荷が大きく、生活にとって重要性が低いもの(SUV、兵器、計画的陳腐化)を抑制し、生活に必要な経済活動(医療・教育・介護)を促進する

・南側の国(低所得国)には成長が必要ではないか
→ 脱成長は北側の国で。南側の国は成長すべき。そもそも北側の国が南側の国を買い叩いているのを是正し正当な対価を払えば、北側の国はおのずと今のペースで成長できなくなる。

・資金調達はどのように
→ 兵器、化石燃料の補助金削減、富裕税の徴収、中央銀行による信用創造?



2021/09/11 「世界」10月号

脱成長特集、昨日買った 。斎藤幸平氏の寄稿から読む。
20年前、9.11で世界は圧倒的な非対称であることを知った。当時、自分たちの便利な生活が、南側の人たちの犠牲の上に成立していることや、抑圧・搾取されている人たちが暴力によってしかメッセージを発信できない(暴力以外の方法で訴えても誰も取り上げない)ことを知って、さまざまな事を考えさせられた。

当時は、環境対策しながら経済成長も目指すという、今から比べれば楽観的な処方箋が多かったような気がする。しかし、経済成長とCO2排出量を切り離す"デカップリング"も、よくよく検証すると、そうなっていないという調査もある。いよいよシステムを根本的に変える必要があるのかも知れない。

「ロックダウンが終わっても、慢性的緊急事態が続いていることこそが21世紀の現実」という部分にうなずく。



2021/08/23 新自由主義的統治

フーコーは新自由主義を、資本主義の一段階としてではなく、統治戦略の一つとしてとらえたそうだ。生活保護レベルの貧困状態の人でも、投資によって貧困から脱出しようとし、資本家の目線で社会を見、保守的になっていく。
また、Z世代の多くは、生存戦略として「新自由主義的な物語」とは別の生き方、可能性を想像することが困難である。

posse vol.48 日本における「ジェネレーション・レフト」の可能性を探る




2021/07/27 イサム・ノグチ 発見の道

東京都美術館へ。石の彫刻と、金属板・和紙(light=軽い/明るいもの)ならば、彫刻の方が良い。晩年の彫刻は、見る角度によって形が変わる不思議。
一番良かった展示室は撮影禁止だった。

磯崎新の「挽歌集」のイサム・ノグチの部分を読んでみる。
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イサム・ノグチ 発見の道



2021/07/23 Growth without economic growth

欧州環境庁の記事
windowsが毎年のようにバージョンアップしていた90年代後半、イギリスに留学していた人から「こちらでは日本のように頻繁にPCをアップデートせず、長く使い続けている」とメールがきたのを思い出した。
また、windows osにバンドルされていたブラウザieが独禁法違反で争われる(最終的には和解)など、ヨーロッパでは昔から過度な競争や独占からユーザーを守っている印象があった。

ヨーロッパは生活全般について、スローで豊かなものを目指している印象を受ける。



2021/07/10 radio sakamoto 210704

Webでも読む。
「現実の大学とかで教えている哲学の研究している人たちって、『カントは何を言っていたか』とか、僕だったら『マルクスは何を考えていたか』みたいな…答えがあるところに向かって、みんなで競争しているみたいな…そうすると全然対話じゃなくて、なんなら下手すると俺の方がいろんなのを読んでいるみたいなマウントの取り合いみたいになっちゃう、っていうのがあって。
…だからその今日、『対話』って言われてドキッとした(笑)。」

「『俺も我慢してんだから、お前もそんな声を上げないで、もっと我慢しろ』とか…あれは非常に大きな問題ですよね。で、本当に我慢してんだと思うんですよね...で、我慢させられていると、他の人が自由に何かを言ったりしたりしてるのを見ると、妬みの気持ちからそれを叩き潰そうとするんだよね…
スピノザって人が、非常に見事に分析している…300年以上前に分析されてんだけど、つまり人間は全然変わっていないってことなんですけれども。そういうのが、本当に何か運動するのをストップしていくところがある、
本当に何とかしなきゃいけないと思うね。で、僕はやっぱりそのためには…きちんと一人ひとりに暇が与えられるってことが大事だと思いますけどね。」

81.3 FM J-WAVE : RADIO SAKAMOTO 2021/07/04



2021/06/05 「提言」

教員も無駄な仕事が多くて、多くの人は考える余裕がなくなっているのではないか。「評価のための評価、効果検証のための報告書やアンケート」は、企業や官庁も同じだと思う。
その中でも考えている人による、無駄・無意味に対する提言。

大阪市立木川南小学校・久保校長の「提言」全文



2021/05/26 スーパームーンの皆既月食

雲越しに見えた。
次にスーパームーンの皆既月食がみられるのは2033年10月。
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2021/04/07マルクス vs ケインズ

週刊東洋経済4/10号 買う。


2021/04/04「ライゾマティクス まだ見ぬ世界へ」

日曜美術館みる。メディアアートは、手段と目的が逆転している、という話。新しい道具ができ、どのように使ってみようかと中身が後からできてくる、という。
"rhizomatiks"は、"rhizome(リゾーム=地下茎)"からきているそうだ。ツリーからリゾームへ、と昔よく言われていた。
東京都現代美術館「ライゾマティクス_マルティプレックス」展を企画した長谷川祐子氏は、昨年のダムタイプ展も企画していた。


2021/03/13 豊かさと貧しさ

横浜は昼、豪雨。

文芸春秋4月号池上彰と斎藤幸平の対談読む。
"イメージとして、「資本主義」は「豊かさ」に、「前資本主義」は「貧しさ」に結びついていますが、実際は逆で、「資本主義」の方が「希少性=欠乏(排他的独占)」に、「前資本主義」の方が「無償性=潤沢さ(コモンズ)」に結びついているのだ、と。"


2021/02/21 河津桜

みに散歩。

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2021/01/11 人新世の「資本論」発刊プレゼンテーション

的な内容のYoutube大阪市立大学公式チャンネル。約20分(右下。昨年9月4日)。

ラジオやEテレ「100分de名著」などで斎藤幸平氏の語り口を聴くと、単に知識の披瀝でなく「発見の楽しさ」を感じるとともに、おちゃめさ、情熱を感じる。

「人新生~」は10万部突破したそうだが、ここまで売れている理由は、こんにち世間で感じられている疑問、違和感に、ちょうどよいタイミングで出てきたからという感じがする。

ポストコロナ時代の新しい社会の在り方 ~グリーン経済の実現に向けて~